「ハローワーク」を活用して、求職の悩みを解決しよう
若い世代を手厚くサポート!一人で悩まず気軽に相談を
みなさんは、「ハローワーク」を利用したことはありますか?
「ハローワーク」では、求職者に寄り添った手厚いサポートを実施しています。
特に若者世代に関しては、「ハローワーク」「新卒応援ハローワーク」「わかものハローワーク」と3つの窓口が利用できます。職業紹介のみではなく、カウンセリングから面接対策まで幅広くフォローしてくれます。
今回は、「3つのハローワーク」について、それぞれの特徴と利用方法をお伝えします。
さらにハローワークの担当職員の方に「若者世代の求職の悩みに対して、どのような支援を行っているか」をインタビューしてきました。
併せてご紹介します。
<Menu>
・全年代が利用できる「ハローワーク」
・<インタビュー>「ハローワーク」では来談者のモヤモヤにどうアプローチしているか
・卒業後3年程度まで利用できる「新卒応援ハローワーク」
・おおむね35歳未満の方が利用できる「わかものハローワーク」
・まとめ(ハローワーク関連リンク集)
全年代が利用できる「ハローワーク」
まずは、全年代が利用できる「ハローワーク」から紹介します。
「ハローワーク」は、厚生労働省が全国500カ所以上に設置する公共職業安定所のことです。民間の人材会社とは異なり、求人掲載に費用がかからないため、民間と比較して求人件数が多いのが特徴です。年間800万人超の新規求人を公開しています。
日本全国の求人情報があり、離島なども含めた幅広いエリアが掲載されています。求人はインターネットでも検索ができ、正社員・非正規雇用やフルタイム・パートタイムなど雇用形態を選択することもできます。またエリアや業種・職種だけでなく、出稼ぎ求人や障害者雇用など、求職者の状況に寄り添った検索もできるようになっています。
ハローワークインターネットサービス「求人情報検索・一覧」画面
「ハローワーク」は、求人の紹介をしているだけではなく、以下のような支援も行っています。
・職業相談(新しい一歩を全力で応援!)
・面接の受け方、応募書類作りをアドバイス
・就職活動に役立つセミナーを全国で実施
・仕事のスキルや知識を学びたい、高めたい方を応援(職業訓練等のサポート)
このように、転職や就職を考えている人が、次の仕事を探すまでに、様々なサポートをしてくれるのが「ハローワーク」の役割なのです。
<インタビュー>「ハローワーク」では来談者のモヤモヤにどうアプローチしているか
では実際に、ハローワークに来る若い世代に対してどのように相談に応じ、解決に導いているのでしょうか。
ハローワーク新宿の職業相談第一部門統括職業指導官の荒井和則さんに、お話を伺いました。
―LO活では「これからの生き方、暮らし方、働き方を考えている」若者に対して地方就職を提案していますが、ハローワークにもこれらの悩みを抱えた相談者がいらっしゃるかと思います。具体的にはどのような悩みを聞かれたケースがありますか?
ハローワーク新宿を利用される若年者(34歳以下)では、25~29歳の方が一番多いです。そんな若い世代に関しては、これまでの実績をベースにキャリアアップしようという転職希望者よりも、「悩みを抱えて相談に来られるケース」のほうが多くなっています。
具体的な悩みの内容としては、担当業務が多くてつらい、残業が多くてプライベートな時間を作れない、会社での人間関係やコミュニケーションが上手くいかないなどのケースが多いです。自己肯定感が高くない方が多い印象を受けます。
ハローワーク新宿 職業相談第一部門統括職業指導官 荒井和則さん
―そのような悩みを持つ方に対して、どのようなアプローチをされていますか?
まずはじっくりと、お話を伺うところから始めています。
心を開いて気持ちや状況を話していただければ、解決策の提案がしやすいからです。
例えば最初に「残業が多い」という悩みを相談された場合に、原因がどこにあるかを見極めなければ、たとえ転職しても問題は改善されない可能性があります。単純に求人票を見て、残業時間の少ない求人を紹介すれば解決するという訳でもないのです。そのため、まずはご相談内容をしっかりと受け止めて、その上で悩みの本質がどこにあるのかを探り、解決策を提案しています。
また、ハローワークには一度も就職をしたことがない方も相談に来られます。アルバイトしか経験がない方の場合は、世の中にどのような職種があるのかをイメージできていない方や、履歴書を書いたことがない方もいらっしゃいます。
そんな場合でも、どんなことに興味があるのか、得意なことは何か、これまでに楽しんでやっていたことは何かなどをヒアリングして自己分析をサポートしながら、幅広く仕事の話をして、何ができそうかを一緒に探していきます。時間はかかりますが、専任担当者が何度も面談を繰り返すからこそ、少しずつ興味が持てる仕事の話ができるようになっていくと感じます。
―実際にハローワークでの支援を通じて、悩みが解消された事例を教えてください。
今回はLO活-thinkの記事ということなので、地方就職でのケースを紹介します。
パートナーの暮らす地方へ移住したい、という方のケースです。
その方は、パートナーが住む地域への移住を考えていました。希望される職種がはっきりしておらず、職務経験があまりないことから、どのような仕事に興味があるのかをヒアリングすると、「子どもが好き」ということが分かり、保育士の仕事に興味を示されたのですが、資格をお持ちではありませんでした。
移住するまで4~5カ月は東京にいるということでしたので、その間に東京で実務経験を積んで次につなげるため、資格がなくても働ける「保育補助」のパートタイムに就いてみることを提案しました。求人情報の提供や応募書類の作成・面接対策などを支援し、紹介した求人で採用となって勤務しました。実際に移住された際には移住先のハローワークで保育関係の求人に紹介を受けて、東京で積んだ経験をアピールすることで、無事に保育関係で就職されたそうです。
ハローワークは全国ネットなので、東京のハローワークから全国どこでも、移住先のハローワークへつなげることができます。この方の場合も、私たちハローワーク新宿での支援から、移住先のハローワークでの支援につながり、希望職種で就職することができました。
―最後に、悩みを持つ方に、メッセージをお願いします。
何らかの理由があり、仕事や働くことに関して不安をお持ちでしたら、一人で悩まずに一度、ハローワークで相談してみてください。在職中の方であれば、ぜひ退職を決めてしまう前にハローワークで相談してみてください。ハローワークは若者からの相談も多く、就活のやり方が分からないような場合でも丁寧にサポートしています。
「やりたいことが分からない」とか「自分に何ができるか分からない」という方は、興味ある分野や向いていそうな分野について、専任担当者が職業興味検査など様々なツールも活用しながら一緒に考えていきます。話をすることで「すっきりしました。頑張ってみようと思います」と、前向きになる若者もたくさんいます。
行動することから変化は生まれます。
もやもやした気持ちを一人で抱え込まず、気軽にハローワークへお越しください。
【ハローワーク利用方法】
最寄りのハローワークを訪問し求職情報を登録すれば、職業相談の利用が可能になります。予約なしでいつでも相談が可能です。
また、ハローワークインターネットサービスでは、ご自宅のパソコンやタブレット、スマートフォンなどから全国のハローワークで受理された求人を無料で検索できます。
アカウント登録完了後 14 日以内に、求職情報を入力して「求職者マイページ」を開設してください。開設すると以下のサービスを利用できるようになり、就職活動がより便利になります。
・登録した求職情報を確認することや、変更することができます。
・求人の検索条件を保存したり、気になった求人を保存することができます。
・ハローワークでご紹介した求人の内容や紹介状、応募履歴を確認することができます。
・ハローワークからおすすめの求人情報を受け取ることやオンラインで職業紹介(オンラインハローワーク紹介)を受けることができます。
・求人に直接応募すること(オンライン自主応募)ができます。
・メッセージ機能により、応募した求人の担当者とやりとりできます。
卒業後3年程度まで利用できる「新卒応援ハローワーク」
続いて紹介するのは「新卒応援ハローワーク」です。学生と学校卒業後概ね3年以内の方まで利用ができます。「新卒」向けに手厚い就活支援を行っているのが特徴です。
「新卒応援ハローワーク」は、各都道府県に1カ所以上設置されており、全国で56カ所の拠点があります。「初めての就活」をサポートするため、専任担当者によるマンツーマンの手厚い対応が特徴です。
エントリーシートや履歴書などの書類作成に関しては、人事担当者の視点からもアドバイスを受けることができます。伝えるべきポイントを整理したり、自身の魅力や伝え方など、丁寧な作成支援をしてくれます。緊張が伴う「面接」も、専任担当者が面接官役となり応募先企業を想定した「模擬面接」で練習することができます。
就活中も、専任担当者が就職活動の進捗状況を確認しながら、個々の状況に応じたタイミングで必要なアドバイスをしてくれます。また、就活に役立つ各種セミナーや会社説明会・面接会も開催しています。
このような手厚い対応が、学校卒業後3年程度まで活用できます。新卒就活の際に、上手く就活が進められなかった人や、書類作成や面接に自信がないような人など、就職後の悩みや不安もしっかりサポートしてくれるので、初めての“転職”でも「新卒応援ハローワーク」を活用するメリットがあるのではないでしょうか。
【新卒応援ハローワークの利用方法】
最寄りの新卒応援ハローワークを訪問し、利用登録を行ってください。
初回は基本的に予約不要です。
▼「新卒応援ハローワークへ行こう!」(厚生労働省YouTube公式チャンネル)
おおむね35歳未満の方が利用できる「わかものハローワーク」
最後に紹介するのは、おおむね35歳未満の方で、非正規雇用やアルバイト・パートタイムから正規雇用を目指す方を中心にサポートする「わかものハローワーク」です。丁寧なキャリアカウンセリングが特徴で、働く中で悩みを抱えている方や、仕事をする意味を見失ってしまった方などにおすすめです。
なかなか正規雇用が決まらない人の中には、自己アピールが苦手だったり、応募しても書類選考から先に進めなかったりする場合があると思います。「わかものハローワーク」は「新卒応援ハローワーク」と同様に、専任担当者がマンツーマンで就職活動の段階に合わせてアドバイスします。
履歴書や職務経歴書といった書類作成、模擬面接による面接指導などはもちろん、自分に合った仕事の探し方、仕事への不安や悩みなどの相談にも応じてくれます。
また、様々な就職支援セミナー(自己分析やコミュニケーションなど)を毎月実施していますし、求人企業と直接会える就職面接会も多数開催しています。
無事に就職先が決まり新しい職場で働き始めた後も、不安があればアフターフォローをしてくれるので安心です。社会に出て仕事をしてみたものの、上手くいかずに悩んでいる方や、自分がどんな仕事に向いているのかを見失ってしまったような方は、一度相談に行ってみてはいかがでしょうか。
【わかものハローワークの利用方法】
わかもの支援コーナー及びわかもの支援窓口は、ハローワーク内に設置されています。
それぞれ支援内容や規模などが異なりますので、詳細は各都道府県労働局又はお近くのハローワークまでお問い合わせください。
まとめ
「ハローワーク」は、利用者に対して丁寧なサポートをしてくれます。仕事探しはもちろんですが、仕事探しにまつわるさまざまな相談にも応じてくれるのが「ハローワーク」のいいところ。今、何らかのモヤモヤを抱えている人は、自分の気持ちに寄り添った対応を受けられそうな「ハローワーク」を選んで、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
【ハローワーク関連リンク集】
※この記事に掲載されている情報は、2024年1月にサイトに公開した時点での情報です。