「地元に帰るのもありかな?」と思う人の背中を押す、5つの耳寄り情報

Uターン就職を検討する際にまずはチェックを!

首都圏で仕事を頑張っているみなさん。
「そろそろ地元に帰るのもいいな」と感じることはありませんか。

とはいえ、いきなり地元に帰るとなると、仕事やキャリアアップへの不安、あるいは、地元で楽しく暮らせるのだろうか?と心配になることがあるかもしれません。

そんな方に向けて、地元へのUターンを検討する際に、参考にしてほしい5つの耳寄りな情報をお届けします。ぜひ検討の材料にしてみてください!

ぼんやりと浮かぶ、地元への思いと不安。まずはUターン転職のハードルをAさん(都内企業に勤務)に聞きました

ー今は東京で、どんな生活を送っていますか?

「ウェブマーケティング事業を行う企業でディレクターをしています。仕事は、好きでも嫌いでもなく、休日は推し活に励んでいます。韓国アイドルを、推し友達と追いかけるのが生きがいです。実は東京に出てきたのも、仕事というより推し活のため。韓国にも地方にも遠征に行きやすい立地を優先したかったんです。

ですが、例えば韓国アイドルであれば兵役がありますし、ずっと推し活を続けることは難しいと思っています。2年後くらいかなあと思っていますが、いつかは地元に帰るつもりです。親もどんどん高齢になっていきますし、いざという時にそばにいたい気持ちがあります」

Aさんは社会人5年目の26歳。地元は仙台で、就職に合わせて上京してきた

ー地元へ帰ること(Uターン転職)を検討するとき、難しいと感じることは?

「まだ具体的には考えられていませんが、素直に、地方で仕事を見つけるのは難しそうだと思います。東京での仕事に慣れてしまった分、実際どのくらい稼ぐことができるのか、ちゃんと経済的に自立できるのか?というのは気になります。

また4年間仕事をするなかで、自分なりに得意なことや活躍できる領域を、少しずつ見出してきました。その分、やりたい仕事が、本当に地元にあるだろうか?ということも不安ですし、仕事を見つけるために東京から地元まで、就活で通うのも大変そうです。

そして住む場所を変えるとなると、何かとお金がかかります。そのまとまった資金も準備が必要ですよね。地元に帰ったら、そのときは推し活を終えていますし、暮らしに楽しみを見出せるのだろうかという不安もありますね…」

 

Aさんを例にすると、Uターン転職においては、

1. 地元で本当に経済的に自立した生活ができるのか?
2. 自分に合った仕事を見つけられるのか?
3. 東京から地元まで、就職活動を遠距離で続けるのが大変
4. 東京からの移住資金が不安
5. 地元に帰っても、暮らしに楽しみを見出せるのか

という、大きく分けて5つの心配や不安ごとがあることが分かりました。

今回の記事では、上記5つに寄り添うかたちで、耳寄り情報をお届けしていきます。

5つの耳寄り情報!

1.  地元で本当に経済的に自立した生活ができるのか?
地元に帰ると貯金ができる?!統計データから見る、地方就職の「金銭面」

2. 自分に合った仕事を見つけられるのか?
都市に住みながら「100万件」の求人情報に出会える

3. 東京から地元まで、就職活動を遠距離で続けるのが大変
東京にいながら、地元の情報が入手できる「ふるさと回帰支援センター」

4. 東京からの移住資金が不安
単身でも最大60万円支給。「移住支援金」の活用でコスト削減!

5. 地元に帰っても、暮らしに楽しみを見出せるのか
新しい地元の魅力を探すきっかけに「お試し移住」がおすすめ

 

1. 地元に帰ると貯金ができる!?統計データから見る、地方就職の「金銭面」


地元での就職を考えるとき、気になるのはやはり「金銭面」。Aさんのように「経済的自立」が必須だという方も多いでしょう。

まずは「収入」を見てみると、地方移住した20~30代の約8割が、都市圏での収入から「増額した」あるいは「変化がなかった」と答えているのが、下のグラフから分かります。「地方ではあまり稼げないのでは…」と思っていた人もいるかもしれませんが、実は、そこまで変わらないというのが実情のようです。


※タップで画像が拡大します。

パーソル総合研究所「地方移住に関する実態調査」(Phase1)(2022年3月22日発表)

 

次に「支出面」。1カ月のうち、最も大きな支出を占めるひとつ「賃料」を例に見ていきます。

下図は、東京23区と、地方移住都市として知名度のある各地方都市の平均賃料をまとめたもの。東京23区と地方都市では、最も賃料の高い福岡県福岡市でも、3万円以上の差があることが分かります。

東京23区は「LIFULL HOME’Sマーケットレポート(2024年6月)」、福岡県福岡市は「LIFULL HOME'Sマーケットレポート 賃貸 愛知・札仙広福圏版」、長野県松本市・岡山県岡山市は「SUUMO家賃相場・賃料相場情報(2024年7月10日更新)」を参考に作成。
※いずれもシングル(ワンルーム/1K/1DK)の賃貸を想定。

データからは、地元への移住によって収入が下がることは少なく、生活費の多くを占める賃料は、3万円以上も下がることが見えてきます。もちろん食費や、電気代・ガス代などの固定費も変わるでしょう。ご自身の地元を想定していろいろ調べてみると、地元での新しい生活が具体的になっていくかもしれません。

 

2. 都市に住みながら「100万件」の求人情報に出会える


地元の仕事を、どうやって探そう?と迷っている方へ、まず訪ねていただきたいのは「地方就職支援コーナー」です。東京・飯田橋、大阪・難波という2カ所のハローワークに設置されています(2024年7月時点)。

ここでは「暮らし」だけではなく、地元で就職活動する際の具体的なアドバイスや、全国544ヶ所(2024年4月時点)のハローワークに寄せられた企業を紹介してもらうことができます。その数、なんと100万件以上(2024年7月時点)。きっと、希望に合う企業が見つかるはずです。

平日はなかなか来られないという方も、休日に「ハローワーク検索機コーナー」を使うことができます。

もし求人の希望条件の一部が合わない場合は、ハローワークスタッフを介して企業に掛け合うことも可能です。既存の求人情報の中に希望するものが見つからないときには、移住希望地域のハローワークスタッフと連携して求人を開拓することも可能だそう。

利用は在職中か離職中かを問いません。地元ですぐに働きたい方はもちろん、「いつかは…」と考えている方もぜひ。

 

3. 東京にいながら、地元の情報が入手できる「ふるさと回帰支援センター」


地元に帰ることが具体的になっていくと、仕事だけではなく「暮らし」の情報も知りたいところ。ですが、東京に住みながら最新情報を手に入れるのは難しいですよね。そんなときは、JR有楽町駅前の交通会館内にある「ふるさと回帰支援センター」がおすすめです。

ここでは、都内にいながら地元の「暮らし」を知ることができます。43都道府県1政令市(静岡市)(2024年7月時点)の相談ブースがあり、北海道から沖縄まで、それぞれの地域で暮らすための相談が「無料」でできるのです。

全国各地の豊富な情報に、ゆったりしたスペースで触れることができます。地元以外の地域に興味をそそられる、なんて不意な出会いもあるかも?

ふるさと回帰支援センターでは、移住先での暮らしや体験プログラム、移住検討者同士の交流イベントなどの情報も教えてもらうこともできます。相談員の人とお話することで、自分に合った小さな一歩が見つかるかもしれません。センターは事前予約がおすすめ。

▶「ふるさと回帰支援センター」サイトはこちら

 

4. 単身でも最大60万円支給。「移住支援金」の活用でコスト削減!


東京圏からUターンを考えている人に向けた「移住支援金」制度をご存じですか?

※タップで画像が拡大します。
内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局「いいかも地方暮らし」を参考にLO活で作成

対象者は手続きをして地方移住すると、単身で最大60万円、世帯を持っていると最大100万円が支給されます。地元に帰って起業をすれば、最大300万円まで。さらに2021年度からは、テレワークで移住前の仕事を続けながらでも支給されるようになりました。

対象となる地域は、移住支援事業を行っている東京・埼玉・千葉・神奈川以外の地域。移住直前の10年間で、通算5年以上かつ直近1年以上のあいだ東京23区に在住、あるいは23区へ通勤していた人が対象者になります。

他にも自治体が運営するマッチングサイトに求人情報を掲載した中小企業などへの就職が必須など、いくつか条件があるので、公式サイトの注意点をよく見てご自身に合った手順を踏んでみてください。移住コストを抑えたい方の一助に、ぜひ。

▶「いいかも地方暮らし」サイトはこちら

 

5. 新しい地元の魅力を探すきっかけに「お試し移住」がおすすめ


地元に帰っても楽しみを見出せるだろうか?と不安を抱える方は、いきなり移住する前に、一度、地元に「お試し移住」をしてみるのはどうでしょうか。

お試し移住とは、自治体等が宿泊先を準備し、実際にお試しでその土地に暮らす体験ができる制度のこと。単に宿泊するだけでなく、地元企業での職業体験や、地元の方々との交流会が開催されるなど、地域ごとに工夫が凝らされていて、地元を新しい視点で深めることができます。

なかには、日程や体験など、興味・関心などを事前に伝えておくと、それに沿った内容でオリジナルツアーを組んでくれる自治体も。滞在期間中に農業体験をしたり、冬場には雪かき体験ができたり、田舎体験プログラムを利用できることもあります。

実家や知り合いのような、これまで培ったコミュニティとは異なるルートで地元に足を運ぶことで、地元での暮らしが楽しみになる、新しい魅力やコミュニティに出会えることもあるかもしれません。お試し移住に関する情報は、東京駅八重洲口のすぐ近くにある移住相談窓口「移住・交流情報ガーデン」にたくさんあります。ぜひ足を運んでみてくださいね。

▶「移住・交流情報ガーデン」サイトはこちら

「忙しくて、なかなか具体的な行動を起こせない」。そんなあなたには、LO活の記事をおすすめ!

5つの耳寄り情報、いかがでしたか。

地元に帰りたいけれど、情報収集方法が分からない。何から動き出すべきだろう?と悩む人に、少しでも有益な情報であれば幸いです。

「忙しくて、なかなか具体的な行動を起こせない」という人は、まずLO活の他の記事を読んでみてください。3、4、5で提案した「ふるさと回帰支援センター」「地方就職支援コーナー」「お試し移住」は、LO活サイト、LO活-thinkの過去記事でも紹介しています。

 

・「ふるさと回帰支援センター」についてはこちら
▶LO活「都内の会社に勤める社会人3年目がレポート!『地方移住・就職』の相談窓口 利用マニュアル」

実際にセンターを訪ねて利用した様子をレポートしています。

 

・「地方就職支援コーナー」についてはこちら
▶LO活「ハローワークの『地方就活支援コーナー』とは?」

地方就職支援コーナーへ行く前に、少し様子が見てみたい人におすすめです。

 

・「お試し移住」についてはこちら
▶LO活-think「活用しよう!地方就活に関する経済支援やお得な制度」

お試し移住についてだけではなく、各自治体が行っている他の制度も紹介しています。

 

あなたの背中をやさしく押す、きっかけになりますように!

※この記事に掲載されている情報は、2024年11月にサイトに公開した時点での情報です。