移住先輩のお悩み相談

地方移住の先輩に聞いた!
LO活-thinkユーザーが
感じているリアル“モヤモヤ”8選

地⽅移住や転職は、⼈⽣における⼤きな決断。考えれば考えるほどに、悩みや疑問が出てくると思います。そこで、LO活-thinkのユーザーに「今感じているモヤモヤ」を募り、集まった中から選んだ 8 つを、これまでに LO 活とつながりのある以下 3 名の地⽅移住の先輩に回答してもらいました!体験者ならではの意⾒、アドバイスをぜひ参考にしてください。

回答者

【回答者01】⼤学卒業後、1年東京で働き地域おこし協⼒隊参加を機に I ターン転職した⽥村裕太郎さん

1995 年 3 ⽉、新潟県新潟市⽣まれ。24 歳。
⼀橋⼤学経済学部卒。⼤学時代から地⽅に猛烈な魅⼒を感じつつも、新卒で東京の不動産会社に就職。しかし⾃分の思いと⾏動のギャップに気づき、2018 年 4 ⽉から愛媛県⻄条市に移住、起業型地域おこし協⼒隊として市内の限界集落の創⽣に取り組む。関連記事はこちら

【回答者02】⼤学卒業後、2 年東京で働き U ターン転職した⼭碕千浩さん

1994 年、島根県飯南町⽣まれ。25 歳。
早稲⽥⼤学を卒業後、主に飲⾷店を経営している関東の会社に就職し、カフェ社員として調理や接客に従事。2 年半勤務の後、19 年 12 ⽉に島根県への U ターン転職を決め、現在は株式会社⽯⾒銀⼭群⾔堂グループにて、暮らしに関わる仕事をしている。関連記事はこちら

【回答者03】⼤学卒業後、約7年東京で働き I ターン転職した佐久志歩さん

1983 年 12 ⽉、⻑野県諏訪郡⽣まれ。36 歳。
千葉⼤学、英国イーストアングリア⼤学修⼠修了。⼭間部で育った反動から、より遠くの世界を⾒たい⼀⼼で、⾸都圏の⼤学進学、海外留学、NGO 活動と常に外向きに活動。たまたま出会った求⼈に挑戦した結果、地場企業へ転職となり 3 年前より⽯川県⾦沢市へ移住。コロナ禍での転換もあり、現在は東京、⽯川の 2 拠点を⾏き来しながら過疎地域の持続性向上を⽬指した活動に取り組む。関連記事はこちら

theme 01地方生活の快適性に関するお悩み

Q:地⽅で働くことを検討しています。ただ、いざ⽣活するとした時に、都市部の⽅が単純に⽣活をする上では便利だと感じています。例えば移動や買い物もそうですが、時間の使い⽅や⽣活を整えることにストレスを感じてしまうのではないかが不安です。実際に地⽅に移住をされた先輩⽅に、移住をした時に感じたストレスと、どのように向き合ったのかを教えてほしいです。(ハンドルネーム:⻤滅の刃が⽋けているさん)

A:田村裕太郎さん
東京から、⼭奥の限界集落に移住しました。スーパーや銀⾏などがある主要なエリアまで⾞で 30 分かかります。家は古⺠家で頻繁に補修や清掃が必要ですし、沢⽔を引いているので定期的に⽔源の管理が必要です。そういう意味では都市部に⽐べて圧倒的に不便です。しかしそれ以上に、都市部にいて満員電⾞で通勤することや、どこに⾏っても混雑している状況が⾃分にとってストレスでした。まずはそのストレスから解放されたことが移住して良かったことです。

また、そもそも⽣活を整えることに時間を使うことが⾃分にとって⼈⽣を豊かにするための⼤きな要素だと思っていて、それを望んで移住した部分もあります。なので家の補修や買い物、⾃炊、⽔源の管理など楽しんでやっています。特に⼭では⼭菜や野草、きのこ、ジビエなど、⾃分の⼿で取ったものを⾷べることができる幸せもあります。⽣活においては⾃分にとってベストな環境だったのでストレスはないです。⾞での移動が毎度毎度遠いなと思う時はありますが、都市部だろうが地⽅だろうが 30 分かけて通勤・通学は普通にあるし、満員電⾞よりは格段にいいと思って納得しています。すぐに慣れました。

移住する時は⾃分で好きな環境を選べます。⼩さな町でも徒歩圏内に主要な施設がそろっているところはたくさんありますし、よく現地を⾒て納得して選んだら⽣活については特に問題ないと思います。移住をした時に感じたストレス全般でみると、込み⼊った相談や頼みごとをオフラインでできる⼈が少ないということがあります。仕事やおすすめスポットなどの相談はもちろん誰にでもできますが、そもそも移住者には⾊々と思うところがあって移住した経緯があって、その辺りは定住している⽅や友⼈には理解しにくいかもしれません。そういう時は同じ移住者の⽅と仲良くなっているとすごく⼼強いです。特に先輩移住者の存在は⼤きかったです。いずれにしても移住すれば何かしらのストレスはかかってきますが、それを差し引いても⾃分の本当に住みたいところに住むというのは素敵なことですし、移住して本当に良かったと思っています。

theme 02Uターンでの人間関係についてのお悩み

Q:U ターン転職をしようか迷っています。⼤学から地元を出て、東京で就職しました。親も⾼齢だし、なんだかんだ⾔って近くにいてあげたいと思っていますが、地元は娯楽も少ないし、⾼校以前の友達とはほとんど連絡を取っておらず不安です。つながりは SNS 程度で、地元の⼦たちの輪に今さら⼊れる気がしません。⼤学からの友達と離れるのも寂しいです。転職で U ターンされた先輩⽅は、⼈間関係をどのように再構築されましたか?(ハンドルネーム:悩み過ぎて眠れないさん)

A:山碕千浩さん
私の場合、暮らしと仕事が直結しているような環境に転職したので、そのまま仕事仲間が新しい⼈間関係です。ずっと仕事の⼈と⼀緒って…と微妙な顔をされることは多いのですが、居⼼地はいいです。それと実家が近くなったのは私にとってとても良いことでした。

私の地元もかなりの⽥舎で、娯楽も仕事もほぼないと思っていました。でも私がそうだったように、インターネットで調べるだけでは分からない楽しいことがきっとたくさんあると思います。無責任なことは⾔えませんが、きっと⼤丈夫な気がします。⽇々の楽しみも、⼤好きな友達も、新しい⼈間関係も。どこにいても⾃分がしっかり背筋を伸ばしていればいいんだと、そう腑に落ちた時が私にはあったので、きっと⼤丈夫だとお伝えしておきます。そうなるまでは(なってからもたまに)苦しいんですけどね。

東京にいる時、⾼校時代の地元のクラスメイトから、「東京に遊びに⾏く予定があるので会わないか?」と連絡をもらったことがあります。話をしていて楽しく好きな⼦でしたが、同じグループ(学⽣の時はありましたね)だったわけでも卒業以来つながっていたわけでもなかったので、純粋に驚きました。でもすごくうれしかったのを覚えています。無理にとは⾔いませんが、ちょっとがんばってつながりを持ってみるのもいいかもしれませんよ。思っているほど現実は厳しくないかも。

“せっかく⾃分で時間をかけて居場所やつながりを作ってきた場所を離れて、本当にやっていけるのか”、“東京のほうが良かったと後悔しないか”、答えがない不安は⼤きいと思います。変わるというのは怖いものですが、同じくらい良かったなあと思うことも起こりえます。どうか、ご⾃⾝で決めた結論が良いものになることを祈っています。

theme 03移住場所についてのお悩み

Q:地⽅に移住することを決めたのですが、どこに移住するかがなかなか決まりません。実家は都内です。気候やアクセスの利便さ等、移住先を決める前に確認しておくべきことにはどんなことがありますか? それとも、先輩はそれほど深く考えずにエイヤで移住されましたか?(ハンドルネーム:教えて先輩さん)

A:佐久志歩さん
以下、2つの観点からお答えします。
①移住先をどんな優先順位や基準で決めたらいいか?
質問者さんはすでに移住することを決断済みとのことなので、移住を通じて叶えたいことや、思い描く移住先での⽣活が、ある程度⾒えているのかなと思います。それを実現するために必要不可⽋な要素は何か、リストアップしてはどうでしょうか? そして、譲れるモノ・譲れないモノで切り分け、譲れないモノを満たす地域を絞り込んでいくイメージです。

私の場合は、もともと地⽅出⾝なので、地⽅移住⾃体が希望ではなかったものの、転職活動中に⾒つけたどうしてもやりたい求⼈がたまたま地⽅の地場企業での仕事でした。それを優先したら結果的に地⽅移住となった、という流れです。

②移住先を決める際に留意しておくこと
今まで縁もゆかりもない⾦沢という地域が突如、これからの⽣活拠点候補として挙がってきた時、⽇本海側で⼀年中ジメジメしているんじゃないかとか、閉鎖的なんじゃないかと不安が⼭積みでした。そんな中「あ、⾏ってもいいかも。楽しくいられるだろうなぁ」と気持ちが変わったのは、転職先の(未来の)同僚やその友⼈達が、「冬の楽しみ⽅や仕事以外の時間も地域を楽しめるか」というプライベートな観点で相談に乗ってくれて、さらには移住する前から、私の興味関⼼と合いそうなコミュニティとつなげてくれたからでした。

実はこれは、仕事で悩んだ時に相談したり気分転換したりできる職場以外の居場所を早いうちから⾒つけられていた、という意味でもすごく貴重な要素でした。実際、休⽇に仕事とまったく関係がない移住先の友達とドライブに⾏ったり、その地域ならではの遊びをしたりすることで、平⽇はよりいっそう仕事に没頭できる好循環がありました。もし、地域にこだわりがないのなら、移住前から現地へ通ったり、オンラインでのやりとりをしたりすることを通じて、こういった⼈間関係を事前に作ることを⼿伝ってくれるコーディネーターがいる地域、というのを条件に⼊れるといいかもしれません。

また、精神衛⽣上、気候⾯や、交通の利便性も考慮した⽅がいいかも。特に 1 年⽬は、慣れない⼟地で新しい仕事をキャッチアップする中、精神的に困難な時期も多いと思うので、気候⾯で⾃分が過ごしやすいかや、家族や気⼼知れた友⼈に会いに⾏ける距離かどうかなど、何かしらのセーフティネットを確保しておくといいと思います。私の場合、東京から⾦沢まで新幹線で2.5時間という近さも、移住の背中を押してくれた要因でした。

Q:社会⼈ 4 年⽬で、地⽅就職(I ターン)を検討しています。地⽅就職をされる⽅で、1 カ所⽬でうまくいかず、別の地⽅にさらに移住してうまくいった、というような事例はあるのでしょうか? 地⽅就職に興味はありつつも、やはり今まで住んだことのない場所で⽣活が⼀変するので、⽣活・仕事・⼈間関係などどれかで⾏き詰まってしまうのではないか、という不安があります。(ハンドルネーム:ころりんさん)

A:佐久志歩さん
実は私、コロナ禍で「1カ所⽬でうまくいかず、別の地⽅にさらに移住してうまくいった」に近しい状況になりました。

もともと、とある地⽅企業の海外新規事業にジョインすることが⽬的で始まった地⽅移住・転職でしたが、今回のコロナ禍で、当初描いていた海外事業の実施が難しくなり、移住本来の⽬的や活動に取り組めない状態となったことから、挑戦半ばですが離職に⾄りました。⼀⽅で、移住してからの 3 年間で知り合った地元の⼈々や地域とは、まだまだつながっていたいという思いが強く、会社を辞めても、別の形で地域とつながる仕事ができないかという思いがありました。

そんな中で、移住初期から個⼈的な興味関⼼のもと、休⽇に地元の事業者さんや地域づくり系の組織と交流していた経緯があったので、何⼈かにそのことを伝えてみると、だったらうちを⼿伝ってみる? と、少しずつですがお仕事をいただくことができ、今は東京と⽯川の2拠点で、(⾃称)まちづくり系フリーランスとして活動ができています。

移住した誰にも、必ず⼤⼩の失敗や⾏き詰まりはあると思います。なので、地⽅移住への躊躇要因が失敗への不安なら、失敗を前提と腹を括り、それでもこの移住を実⾏したいか?と⾃分に問いかけてみてはいかがでしょうか? もし、出てきた答えが、それでもやりたい、なら失敗した時のダメージをどう少なくするか、という策を練っておくことをすすめます。私の場合は、意図的ではなかったのですが以下の要素が、仕事がうまくいかなかった時のバックアップになりました。

①コミュニティを複数持つこと
⽣活・仕事・⼈間関係のどれかがうまくいかなかった時に、他のコミュニティの仲間に相談できたり、⼀休みできたりして回復ができます。コミュニティは、移住先だけでなく、移住前の今いる環境でのつながりも⼤事にするといいかも。私の場合、移住前からの⾃分を知っている先輩や知⼈に、今のジレンマを話したら、すっかり忘れていた移住当初の志や⾃分の良いところを思い出させてくれました。

②余暇の時間を、地域とつながる時間にしておくこと
これは移住先だけでなく他の地域でもいいと思います。職場以外にも⾃分が興味関⼼あるテーマを扱う団体や企業にボランティアやプロボノで関わっておくと、⾃分のスキルや働く姿勢を理解して頂けるので、今回の私みたいに、何かあった時に「じゃあ⼿伝ってみる?」という⼀⾔を相⼿からもらいやすいと思います。

theme 04現在の会社での人間関係についてのお悩み

Q:会社の⼈間関係に悩んでいますが、就職と同時に上京したため、⾝近に相談できる相⼿がいません。地⽅移住以前の問題ですが、皆さんはモヤモヤしていた時、誰に相談していましたか?(ハンドルネーム:ふわふわちゃんさん)

A:田村裕太郎さん
⼤学進学で上京した時と、移住した時の 2 回、まったく知り合いがいない環境に⾶び込みました。どちらも振り返ってみて、⼀番相談に乗ってくれたのは同じ境遇になったことがある⼈でした。進学で上京した時は、同じようにほかの地域から上京してきた仲間とよく話していた記憶があります。移住した時も同じく先輩移住者の⽅にすごくお世話になりました。地域の状況や⽣活の知恵など何から何まで教えてもらいました。

⾃分はたまたまそういった⽅が⾝近にいたのですが、⾝近にいない場合は何か別のコミュニティに参加してみるのはいかがでしょうか。私は就職してから移住するまでの間が⼀番相談できる⼈がいなかった時期です。せっかく東京で就職したのに思うところがあって、すぐに移住を考えだしました。今までできた仲間や職場の⼈には理解しにくい考えや⾏動だと思い、相談できずに⼀⼈で抱えていました。

そういう時に地⽅移住に関する仕事の説明会やイベントに⾜を運び、同じように移住を考えている⽅や実際に移住した⽅と話しているうちにモヤモヤが少しずつ晴れていきました。また、多様な価値観の⼈が集まるゲストハウスなど、⾃分が誰でもないただの⼀⼈の⼈間だとみてくれる環境では案外知り合いより相談しやすく、思っていることを⾔えてスッキリしました。そして結果、移住するという決断をすることにもつながっています。

Q:仕事の⼈間関係に悩んでいて、転職活動中です。しかし、⼈間関係なんてどこに⾏っても⼤差ないじゃないかと思ってしまい、職場環境のせいにしてしまっていいのか、と迷っています。転職してみて解決した悩み、まだ解決していない悩みを教えてください。(ハンドルネーム:優柔不断さん)

A:山碕千浩さん
⼤差がないのは⼈間関係ではなく“どんな⼈間関係が築ける(築かれている)のか分からない”という点です。それと職場環境は⽴派な転職理由だと思います。

当時私は“この状況は本当に転職するべき状況なのか? ⽢えではないのか?”という迷いをずっと感じていました。あの時、本当はまだがんばれたかもしれません。何も基準なんてないし、誰も転職すべきだとか、そうじゃないとか⾔ってくれるわけでもないし(⾔われたとしても悩みの材料にしかなりえなかったと思いますが)。なので私は、「変えたい部分」と「満⾜している部分」と「次の環境で変えられそうな部分」とを天秤にかけていました(⽐較対象が 3 つある時も天秤にかけるっていうのかな…)。そもそも転職とは、仕事も暮らしも全部ひっくるめて“イヤだな”と思っていることが少しでも良くなる環境に移ることだと思っています。でも先のことなんて誰にも分からないから悩むんですよね。

質問にお答えすると、解決した悩みは⼈間関係、仕事のやりがいや納得感、ハードワーク、その他諸々、何か違う気がすると思っていたこと全般、です。⾃分が納得している・好きなことでしんどくなるような、そんな健全なハードワークがしたかったのです。反対に解決していない悩みはあまり思いつきません。が、新たな悩みや考えごとはたくさん出てきます。でもそれは、どこで暮らしていてもきっとそうだと思いますよ。

theme 05テレワークに関するお悩み

Q:現在都市部で就業しています。今年からコロナ禍の影響もあり在宅勤務が増えました。仕事をする上では、都市部での⽣活を余儀なくされると思っておりましたが、このまま在宅(テレワーク)が続く世の中であれば、地⽅に住みながら仕事をすることも可能ではないかと悩んでいます。ただ、その決断に踏み切ろうにも、時代が変われば結局、都市部にいたほうが良かった…と後悔するのではないかという不安もあります。このコロナ禍になる前から都市部を離れて仕事をされていた先輩⽅に、地⽅を選択した際に、また実際に地⽅で仕事をする上で注意しなければいけない点などを教えていただきたいです。(ハンドルネーム:ミスターリモートさん)

A:佐久志歩さん
「時代が変われば結局都市部にいた⽅が良かった…と後悔するのでは」という⾔葉から、地⽅への移住・転職が「⽚道切符」のイメージなんだな、と感じました。移住を選ぶ時の⼼持ちは⼗⼈⼗⾊だと思いますが、質問者さんは、移住先を永住の地と捉えているからこそ、上述の不安と隣あわせの状態なんだと感じます。私の場合、その地へ⾏くのは仕事ありきだったので、何年後かに挑戦が終わったら、また違う場所へ挑戦の場を移すことが、⾃然と念頭にありました。

ぜひご留意いただきたいと思うのは、地⽅への移住が⽚道切符だと思わないこと。そのために、地⽅でも都市部でもどこでも通じる⼈材であり続けること、です。

地⽅の地場企業でも、取引先が都内企業や都市部向けの商品を扱っているところも多々あるので、職場によっては⽬の前の仕事は都会も地⽅も関係ありません。また、テレワークが進んだことで、地⽅にいながら、都市部の企業の仕事を請ける機会も今後さらに多くなると思います。もし質問者さんにとって、地⽅ならではの仕事に就くよりも、まずは地⽅に拠点を移すことの優先順位が⾼いなら、あえて地⽅にいながら都市部が求める質感・スピード感が必要な仕事を選ぶことで、都市部とのつながりを保ち続けることもできそうですよね。

もし、まだ移住するのは怖いと思うフェーズなら、徐々にイメージをつかむ作戦として、まずは都市部にいながら地⽅の仕事に関わる兼業・複業スタイルに挑戦してみてはいかがでしょうか? そういうマッチングプラットフォームもたくさんあります。全体的に注意点ではなく提案になってしまいましたが、こういった段階を踏んで、地⽅でも都市部でも、⾃分のタイミングで働く場所を選べる状態に⾃分を持っていくのはいかがでしょう?

theme 06都会生活に疲れるというお悩み

Q:都内で働いています。正直、仕事に不満はないのですが、とにかく⼈が多く、満員の通勤電⾞などに疲れてしまいます。環境を変えたい気持ちはあるのですが、今よりいい仕事を⾒つけられる⾃信がなくて⾏動を起こせていません。我慢して過ごしていれば環境には慣れるものでしょうか? 仕事以外が原因で転職や移住をするケースはありますか?(ハンドルネーム:⽂京区在住さん)

A:山碕千浩さん
慣れることはあるかもしれませんが、⾃分が気付かなくなるだけでストレスがなくなることはないのではと思ってしまいます。私は暮らしがあっての仕事だと思っているので、その“暮らし”部分がしんどいのであれば⼗分、転職や移住の理由になると思います。

もしそこまで切⽻詰まっていないのであれば、これを機に本腰を⼊れて転職や移住を考えてみてはいかがでしょうか。 “今よりいい仕事”というのがどんなものなのか、どんな暮らしをしたくて、そのためには今の状態からどう変われば実現できるのか。⼤事にしたいことは⼈それぞれ本当に違うので、⾝勝⼿な内容も含めて、⼀度棚卸しをしてみるといいのではと感じました。そしてそれを⼝に出していくと、思いがけないアイデアや考えが聞けるかも。環境を変える⽅法はきっと転職や移住だけではないので、もしかしたら異動とか休職とか(どんなお仕事か分かりませんが)、何かそういったことでも今より環境を良くできるかもしれません。

理想論かもしれませんが、イヤな我慢は少ないほうがいいです。そうなるための努⼒や労⼒は惜しまず、今の状況を諦めないでもらえたらなと勝⼿ながら思っています。ちなみに私の場合は、⾃分の棚卸しに本屋さんや⽇本仕事百貨という求⼈サイトを⾒ていました。⾃分は何に⽬が留まるのか分かりやすくておすすめです。

まとめ

移住した先輩に 8 つの質問に答えてもらいましたが、どこに⾏っても「悩みがきれいになくなる」などということはないのだと思います。でも、「悩みがなくならない」のだとしても、同じ悩みをずっと抱え続けているのと、新しい悩みに更新されるのとでは、⼤きく違います。悩みごとを解決するための第⼀歩は「変わる」こと。我慢を覚えることではありません。その変わり⽅のひとつとして、「移住・転職」を思い付いたのならば、まずはそれに向けて動いてみてはいかがでしょうか。結局「移住・転職」をしなかったとしても、動いたことは、決して無駄にはなりません。