オンライン相談会潜入レポート
コロナで変わる、
新しい地方就活の形
新しい地方就活の形
新型コロナウイルスの影響で、企業の説明会や選考、自治体主催の移住相談会なども、オンラインで行われるものが増えました。その結果、わざわざ出かけなくても地域のイベントに気軽に参加できるようになりました。そこで今回は、実際に静岡県が主催する集合型のオンラインイベントに潜入。その様子をレポートします。
また、LO活-thinkを運営するLO活プロジェクトでは、個人の悩みに応じた無料相談を行っています。個別相談ではどのようなサポートが受けられるのか、LO活相談員に聞きました。
大人数向けの相談会と個別相談ではそれぞれ違ったメリットがあります。自分に合う方を選んだり、目的に合わせて使い分けたりして、より効率よくモヤモヤを解決してください!
「静岡U・Iターン 転職セミナー大相談会!」に潜入
潜入したのは、静岡県が主催するU・Iターン希望者に向けたオンライン相談会です。地元の人材会社が運営し、県内各地で活躍するキャリアコーディネーターが説明、質疑応答などを担当しました。Zoomを利用し、全体説明後の座談会や質疑応答は、東部・中部・西部と、エリアごとにブレイクアウトルーム(※)に分かれて行われました。合同説明会のブースを移動するのと同じような感覚で、色々な地域の話を聞くことができます。スタッフが丁寧にサポートしてくれるので、Zoomの操作に慣れていなくても安心です。今回の参加者は50人以上、20代の若手から子育て世代、60代の方もいたりと、幅広い年代の人々が参加し賑わっていました。
※ブレイクアウトルーム:Zoom上でミーティングに参加している参加者を、小さなグループに分けることができる機能
地域のリアルな現状が分かる
進行について話があった後、全体説明が始まりました。大人数向けの相談会なので、まずは県全体の求人状況について、資料を画面共有しながら説明があります。コロナ禍において求人の状況は刻一刻と変化していますが、地元の求人を数多く持つ人材会社だけに、数字に加えリアルな現状について詳しく聞くことができました。
東京や全国の傾向と静岡県内とでは、コロナによる影響の受け方、人の動きも異なるようで、離れた場所に住んでいては知ることができない話も聞くことができます。例えば自動車業界。全国ニュースでは業績が落ち込むと報道されていましたが、静岡県内では自動車を購入する人がむしろ増えたそうです。完全にリモートワークに切り替えられない職種の場合、電車通勤から車通勤に切り替える人が多く、首都圏で聞く話とは違う傾向がありました。他にも、普段はあまり倍率の高くない職種の求人に応募が集まっていることや、人手が足りていない業種、県内でのリモートワークの浸透状況など、地元の人材会社ならではの情報が満載でした。
U・Iターン転職のための考え方が分かる!
首都圏と静岡県では産業構造も大きく違います。
首都圏や関西圏など、人口の多い地域から地方に移住・転職する際は、仕事の探し方についての考え方も首都圏での就活とは変えるべきだと言います。相談会ではU・Iターン就職の良いところも気を付けるべき点も隠さず伝えていました。例えば、仕事を探すときの選択肢が少ないこと。今就いている仕事と全く同じ仕事内容で探しても、住みたい地域によっては求人が少ないことがあります。仕事の種類の数は就業人口と比例するため、エリアを絞り込み過ぎると、首都圏ほど選択肢がありません。そういった事情もふまえ、移住後の理想の生活に必要なことは何か、優先すべきことは何かを考えることが大切だそうです。
参加者の皆さんは、Uターンで地元に帰りたい、Iターンで伊豆に暮らしたいなど、住みたいエリアをイメージできている方が多い印象でした。実際にU・Iターンで静岡に来る人の多くが、もともとしていた仕事と同じか、近い内容の仕事をしているそうです。
転職後も同じ仕事がしたいと思う方、移住するのだから全く違ったことにチャレンジしたいという方、仕事探しの軸は人それぞれですが、住みたい地域や理想とする暮らしがイメージできている人は、それを前提に仕事を探すのもいいとのことでした。
他の転職希望者の話が聞ける!
大人数を対象とした相談会の一番の魅力は、他の参加者の様子が見られたり、話が聞けたりすることです。後半の座談会では、東部・中部・西部と3つのエリアに分かれて各地域の担当コーディネーターに質問をしたり、静岡移住について話し合ったりしました。エリアによっては座談会参加者が20人を超え、年代も事情もさまざまな参加者の話を聞くことができました。また、現在の居住地がばらばらであることも、オンラインならではの面白さです。
年代が違うと移住や転職で気になる点も異なるので、質問内容もさまざまです。20代と思われる参加者の方からは「初めての転職活動で、進め方について教えてほしい」という質問が出たり、ある程度キャリアを積んでいる年代の方からは特定の業種・職種の求人についての質問が出たり。他に「求人の探し方・見極め方が分からない。地元の肌感覚がない中でどう選べばいい?」といった質問や、移住支援金についての質問も出ました。年代や家族の状況が違う人の話を聞くと、自分の将来をイメージするきっかけになったり、転職について違った視点を得たりすることができます。自分では思いつかないような質問から情報を得ることができるので、視野が広がると感じました。
また、Iターン希望者の移住理由を聞いて、地元の良さを再発見することもあるかもしれません。気候や特産、住んでいる人の雰囲気など、そこで育つと当たり前に思えることが、外からやって来る人にとっては魅力的に見えていることがあります。これは個別相談では得にくい体験でした。
LO活相談員にインタビュー!個別相談を活用しよう
次は、個別相談についての話題にうつります。
皆さんは、LO活が無料の個別相談(対面・WEB・電話・メール)を行っていることをご存知ですか? LO活、LO活-thinkのサイトから気軽に申し込むことができ、相談員と一対一でじっくり話すことができます。どのようなサポート内容なのか、経験豊富な相談員に話を聞きました。
自分の状況に合った情報が得られる
個別相談の利用者は、学生であったり既卒で働いていたり、年代も就労状況もさまざまです。「地方で家を持ちたい」「子育て支援の手厚い自治体はどこ?」など、家族や生活に関する相談もあれば、仕事についての悩みを持つ人もいます。
個別相談なら、そうした個々の事情を相談員にじっくりと話し、移住希望エリアの求人を一緒に探したり、自治体の支援制度を紹介してもらったり、履歴書・職務経歴書のチェックや面接対策も行ってもらえるそうです。また、悩みを具体的に伝えておけば、相談員が事前に個々の事情にあわせて資料を準備することもあるそうです。個別相談の申込みフォームには、現況や移住希望道府県名、相談内容などを入力する項目があります。
「移住先や転職について漠然としていても問題ありませんが、相談前に把握できる情報があると準備がしやすく、40分間の相談時間が有意義なものになる可能性が高まるので、書ける範囲でぜひ記入してください」とは、相談員の声。過去には、相談者の移住希望地域のアンテナショップに話を聞きに行ったことまであるそうです。
一人の相談相手として悩みに寄り添う
LO活の個別相談では、地方就職を強く希望しているわけではない人の相談も受け付けており、東京での就活と並行して利用する方もいるそうです。「地方移住に積極的な人であれば、移住や転職について一緒に考えますが、その人にとって移住がベストでなければ、必ずしも地方に行くことを促しません。また、転職についても転勤やグループ会社への転籍で地方移住が叶ったケースもあるので、まずは上司に相談してみることをお勧めしています。個別相談はあくまで、相談者の悩みを軽減することが目的です。地方移住や転職は解決手段の一つと考え、気軽に足を運んでください」。
近頃はコロナの影響もあり、気軽に人に会って相談したり、悩みや愚痴を言い合ったりする機会が減ってしまいました。人に話すことで自分の気持ちや考えが整理でき、すっきりすることがありますが、一人で抱え込んでしまうとなかなか前進できません。「悩みがあるなら、まずは人に打ち明けてみることです。それだけで前向きな気持ちになれるかもしれません」。LO活の個別相談を、ぜひ活用してみてください。