モヤモヤを小さくするための『選択術』

モヤモヤを小さくするための『選択術』

みなさんは、生活や仕事の中で、モヤモヤすることはありませんか?
以前、LO活-thinkでは『モヤモヤするのは当たり前〜「心のノイズ」を知って楽になる 〜』という記事を公開し、モヤモヤとの折り合いのつけ方を紹介しました。
https://lokatsu-think.mhlw.go.jp/local_life/heart-noise/

今回はもう一歩進んで、「どのようにしたらモヤモヤの存在を小さくできるのか」について考えてみたいと思います。

監修していただいたのは、前回の記事と同様「モヤモヤは無理に解消しなくていい、“心のノイズ”に気づけば気持ちが楽になる」といった内容の著書『自己肯定感低めの人のための本』がベストセラーとなっている、メンタルノイズカウンセラーの山根洋士先生です。

 

●山根洋士氏プロフィール

一般社団法人メンタルノイズ心理学協会代表。「心のクセ」を直して現実を変えるメンタルノイズカウンセラー。『自己肯定感低めの人のための本』『すごいカウンセラーの聞く技術』など著書6冊で累計20万部以上の発行部数を誇る。YouTubeも活用しながら、1万人以上がオンライン講座を受講している。

■モヤモヤは“悩み”ではなく“合図”

まずは、前回の記事でも紹介しました、「モヤモヤとは何か」そして「どのように折り合いをつけていけば気持ちが楽になるのか」についておさらいしていきましょう。

山根先生は、モヤモヤの原因は「心のノイズ」だと教えてくれています。
「心のノイズ」とは、「これまでの自分の価値観と違ったことに直面したときに発生する、何とも言えない気持ち」のことです。

人は6歳くらいまでの体験や記憶により、自分の価値観を「潜在意識」として持つようになります。そして大人になるにつれて、これまで接してこなかったタイプの人と関わったり、異なる環境の世界に足を踏み入れたりする機会が増えてきます。そこで「潜在意識」と異なる場面に直面し、「心のノイズ」が発生するのだそうです。

「心のノイズ」は、「自分が思っていることとは逆のこと」と接したときに、「〇〇してはいけない」や「〇〇すべき」というフィルターとなって発生します。つまり、モヤモヤは自分の価値観と現実のズレを感じたときに生じる合図なのです。だからモヤモヤを「悩み」と捉える必要はありません。このモヤモヤは折り合いをつけていけば気持ちが楽になり、プラスに捉えると「自分らしさ」を知る手がかりにもつながるのだと、山根先生は説明します。詳しい内容は、前回の記事をご覧ください。
https://lokatsu-think.mhlw.go.jp/local_life/heart-noise/

■大事にしたい軸を言葉にしてみる

ただ、モヤモヤに「折り合い」がつけられて、気持ちが楽になることが分かっても、モヤモヤの存在を小さくしたいと考える人も多いと思います。

そこで今回は、ここから一歩進んで、モヤモヤを小さくする方法を紹介していきましょう。

前述のように、モヤモヤの正体は「自分が思っていることとは逆のことに接したときに発せられる、“〇〇してはいけない”とか“〇〇すべき”というフィルター」です。つまり、モヤモヤの裏には、あなたが大切にしている「自分らしさ」の軸が隠れているのです。だから、そのフィルターを言葉にしてみると、モヤモヤの正体が見えてきて、客観視できるようになり、その存在が小さくできるかもしれません。

では、どのような方法でモヤモヤの正体を言語化していけばいいのでしょうか。
よく使われる手法のひとつに「ジャーナリング」があります。

「ジャーナリング」は、日誌や記録をつけることを意味する英語で、「書く瞑想」とも表現されます。日々の生活や仕事の中で、頭に思い浮かんだことを自由に書き出してみてください。しっかりとした文章にする必要はありません。素直に思い浮かんだ単語やイメージを書き溜めてください。ネガティブな表現であっても、そのままストレートに表現するのがポイントです。落ち着ける環境と時間帯を選んで、5分から10分程度の無理のない短時間で書き出してください。

そして時折、これまで自分が書き出したことを振り返ってみてください。頻繁に出てくるキーワードがあれば、それが「特に自分が気になっている“心のノイズ”」です。上司から理由も聞かずに頭ごなしに怒られたとき、なぜか自分ばかりが雑用を頼まれる状況に気づいたときなど、そのキーワードを書き出したときの状況を思い出すと、どのような場面で何にモヤモヤしたか、モヤモヤの正体がイメージできるようになり、言語化できるようになると思います。それがあなたの大切にしている「自分らしさ」でもあるのです。

ぜひ、「ジャーナリング」でモヤモヤの正体を言語化し、モヤモヤの存在を小さくしながら、自分らしさを見つけてみてはいかがでしょうか。

■都会か地方か? モヤモヤから気づく選択肢

実際に都会暮らしの方が「ジャーナリング」をやってみると、都会特有の環境に起因したキーワードが書き出されることも多いかもしれません。

都会はさまざまな考えを持った人が、常に時間や成果を気にして過ごしています。仕事においてもチームで動くことが多く、上司や先輩などから、いろいろな意見や評価に翻弄されることも多いと思われます。また、都会での生活はなにかとコストが高いため、お金のことが気になる場合や、休日の都会は人が多くて気が休まらないという場合もあるかもしれません。。

一方、地方企業は従業員数が少ない傾向にあるため、同じ業務をチーム体制で行うスタイルではなく、幅広い業務を個人で担当する場合もあります。そのため、周囲の意見に翻弄されるケースは都会よりも少ないことがあります。さらに、通勤などの移動も車での移動が中心となるため、都会のような満員電車ではなく、自分だけの時間と空間を確保できます。休日も、自然豊かでのどかな場所がすぐ近くにあり、都会からの移動では渋滞や混雑に巻き込まれやすいですが、地方ではそのようなストレスが少なく、リラックスできる場所へ容易に行ける環境です。

都会と地方という二軸でモヤモヤを見つめてみると、「意外に都会という環境が、自分にはあっていないのではないか」といった要因が見えてくることもあります。実際に、地方就職で「自分らしい暮らしや仕事」を手に入れたLO活の先輩たちは、さまざまな視点から、その要因に気づき地方就職を決めています。

※画像は、LO活の先輩の地方就職に関するインタビューページの例

 

もしあなたが「働き方」や「働く場所」、「働く仲間」でモヤモヤしているのなら、地方就職という選択もあるかもしれません。そんな地方就職によって「自分らしい暮らしや仕事」を手に入れたLO活の先輩たちのインタビューは、こちらをご覧ください。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/report/

■モヤモヤを小さくする鍵は、自分で決めること

このように、「ジャーナリング」を通じてモヤモヤの正体を言語化し、そのモヤモヤを俯瞰してみると、モヤモヤする状況とその要因に気づいてくるでしょう。

仕事上でいろいろと言われるモヤモヤも、「相手の取り組み方と、自分の取り組み方の違い」だと気づくかもしれません。それなら、「自分は自分」と割り切って、自分の取り組み方を貫く判断もできますし、逆にそこは割り切って「相手に合わせる」と判断することもできます。

仮に「相手に合わせる」と判断した場合でも、自分で判断したことであれば、比較的すんなりと受け入れられませんか?

もちろん、少しは悔しい気持ちがあるかもしれません。ただどんな選択も、自分が納得して選んだものであれば、モヤモヤは小さくなるものです。モヤモヤを感じたら、それをチャンスととらえ、自分なりの選択肢を考えてみてください。

自分で判断できる手法を見つけて選択することで、自分らしさに気づき、納得感のある行動に移せるようになるはずです。そうすると、自然にモヤモヤの存在は小さくなり、自分の道を進んで行けるようになります。

ぜひこの記事を参考に、モヤモヤを小さくするための『選択術』を試してみてください。

 

【参考】
山根先生のYouTubeチャンネルでは、いろいろなアドバイス動画を公開しています。
https://www.youtube.com/channel/UCslhXIh3I5Z-tSUubCYwLUQ