モヤモヤ解消ケーススタディ
仕事にやりがいを
感じられない
感じられない
仕事のやりがいを問われたとき、あなたは即答できるでしょうか?
そもそも「やりがい」という言葉自体が抽象的です。事実、やりがいの中身は実にさまざま。お客さんの笑顔にやりがいを感じる人もいれば、自己成長感こそがやりがいだという人もいます。短期戦の方が燃えるという人がいる一方で、長期戦の方がより充実感を得られる人もいます。つまり、やりがいとは人それぞれ違うものなのです。それは、やりがいを見出すには自分自身を知る必要があるということを意味します。
さて、仕事のやりがいにまつわる失敗思考と成功思考を見ていきましょう。
※この原稿は、3人の現役キャリアアドバイザーに取材した結果を編集部で構成し作成しました。
【失敗思考】
● 仕事を「作業」と捉えていませんか?
失敗思考の人に多いのが、目の前の仕事を「作業」として捉えてしまい、意味付けができていないケースです。では、仕事の「意味付け」とは何でしょう? それは「この仕事を誰のため、何のためにやるのか?」を考え、理解し、納得することです。とてもシンプルに聞こえるかもしれませんが、あなたは自分にとっての答えを探してみたことがあるでしょうか?
答えは人それぞれで、万人共通の正解はありません。例えば「お客さんのために」でもいいし、「チームの役に立ちたいから」でもいい。もちろん「数字を達成するため」も立派な意味付けですし、「自分の成長を感じたいから」という人もいるでしょう。どんなふうに考えれば当事者意識を持って仕事に取り組めるのかを、自分なりに見つけることが大切です。
● 最後までちゃんとやり切った?
中には「やりがいがない」と結論付けるのが時期尚早だったり、思い込みであったりするケースもあります。決めつけてしまう前に、その仕事を本当にやり切ったと言えるかどうか、自分を客観視してみましょう。凡庸に感じていた仕事も、やり切った瞬間から、あるいは一定のレベルを超えた途端に面白みを感じられるようになったりするものです。
ちなみに、正反対のこともあります。毎月の営業目標を達成し続けていて、仕事はちゃんとやり切っているはずなのに、なぜかやりがいを感じられない……というケースです。よくよく話を聞いてみると、要因は達成の難易度にありました。その人は、毎月の目標をラクラクとクリアしていたのです。100%の力を注いでいないから達成感もないし、成長できたという実感もないわけです。
● 自分に向いていること、分かっていますか?
また、転職を繰り返す人の中には「やりたいことだと思ってこの会社に入ったのに、やってみたらやりがいがなかった」というパターンも多く見られます。これは「やりたいこと」と「自分に向いていること」の違いに気付けていない、ということかもしれません。
【成功思考】
● やりたいこと≠やりがいのあること
では、成功思考のケースを見てみましょう。まず「やりたいこと=やりがいのあること」ではない、ということを受け入れるのが大前提。「唯一無二の天職」を最初から見つけられるなんていうのは、ごくごく稀なケースです。やりがいというのはそんな華々しいものではなく、じっくり自分と向き合い、少しずつ成長を重ねる中で感じられていくものなのです。
● 一歩先に目標を置いてみよう
仕事の意味付けや当事者意識というのは、ある日突然持てるようになるものではなく、徐々に培われていくもの。だからこそ、成功思考の人は、常に実現可能な、でも簡単過ぎない、一歩先の自己目標を置いています。
まずは目の前の仕事をやり切ってみる。やり切っているのなら、もう一つ上の成果を目指してみる。あるいはもっといいやり方はないかと試してみる。慣れたつもりの単純な仕事でも、工夫の余地はあるはずです。たとえ小さな一歩でも、今より一つ上の目標に向かっていくことは、必ずあなた自身の成長につながります。
● 仕事と興味を結び付ける
やりがいとは、言い換えれば「自己高揚感」です。あなた自身が興味を持っている課題にあなたの仕事が何らかの形で貢献すると考えられれば、おのずと自己高揚感が味わえます。例えば、環境問題に関心があるのなら、間接的にでも環境改善につながることを仕事にする、というふうに。あなたが今まさに転職先を探しているのなら、そんな仕事の選び方をしてみるのも一つの方法です。
他方、「やりたい」や「好き」という気持ちにこだわり過ぎないことも、成功思考のポイント。「仕事を楽しめているよ」という人がいたら、ぜひ話を聞いてみてください。目の前の仕事が最初から好きだったわけではなくて、やっているうちに好きになっていた……という人、案外多かったりしませんか? 注目したいのは、そういう人たちは「自分に向いていないこと」をよく理解しているということ。偏ったこだわりは、あなたの可能性を狭めてしまいます。「本当にこれだけはどうしてもダメ!」ということ以外は、きっとチャレンジする価値があります。