無計画・無目的の旅のススメ

~旅は何かを変えるチャンスとなる~

忙しい毎日を過ごしていると、たまの休みくらいゆっくり寝ていたいと考えてしまいますよね。でも、ゆっくり寝ることで睡眠不足は補えても、心はリフレッシュできません。健康のためにも、体力回復と同じくらい心のリフレッシュは大切。そんな心のリフレッシュに最適なのが「旅」です。

旅は、気分を変え、新しい世界にも出会わせてくれます。旅がきっかけで、その地域を好きになり移住してしまう人がいるくらい、大きな影響を与えてくれます。しかし、忙しい毎日の中で、目的地を決めたりスケジュールを組んだりが面倒だと思うこともありませんか?

そこでおススメしたいのが、「無計画・無目的の旅」。
そんなことが可能なのかという人もいると思いますので、具体的なアイデアと、旅で本当に人生が変わってしまった経験者へのインタビューをご紹介します。

無計画・無目的の旅を可能にする4つのアイデア

まずは、「無計画・無目的の旅」がどのようなものかを説明しましょう。
「無計画・無目的の旅」は、文字通り「目的を持たずに、計画もせずに出かける旅」です。

「散歩」などは、気の向くまま目的地を決めずに、次の交差点を右に行くか左に行くか、気分で決めたりしますよね。そんな感じで旅をするのが、「無計画・無目的の旅」です。

でも、「移動交通手段はどうするの?」とか「宿泊先はどうするの?」といった疑問が出てくる人もいると思います。そこで、あなたを「無計画・無目的の旅」に導く4つのアイデアをご紹介します。

1.決めごとをすべて人に委ねる旅

「旅が苦手」という人の中には、「計画が面倒」だと言う人が一定数います。
そんなタイプの人が最初に億劫に感じるのが「行き先を決める」ことではないでしょうか?

そこで、自分で決めることは諦めて、決めるべきことをすべて人に委ねてみましょう。
友人や親・兄弟などに「最近旅行に行って良かった場所」を聞き、「そこに行ってみる」のです。

宿泊先なども聞いてしまえば、あとは予約をするだけで「面倒な決めごと」を回避できます。
ただ、すべて同じ人に聞いた内容の旅をするのも面白味がないので、「現地での訪問場所は、現地の人や観光案内所に聞く」のもおススメです。自分では決めないが、決めてくれる人を変える。そうすれば、オリジナルな旅に受け身なまま出掛けることができるでしょう。

2.行き先シークレットプランを活用する旅

続いては、行き先を誰かに決めてもらい、さらに交通チケットも誰かに手配してもらえる「お手軽シークレット旅」の紹介です。

鉄道会社や航空会社では、ポイントやマイルを活用して出掛ける「行き先不明のシークレットの旅」を提供しています。マイルやポイントが貯まっている人に限られますが、通常のチケット手配よりもお得な還元率になっていることが多いので、活用してみてはいかがでしょうか?

各社、以下のようなサービスを提供しています。
・JAL:どこかにマイル(https://www.jal.co.jp/jp/ja/jmb/dokokani/
・ANA:今週のトクたびマイル(https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/promo/wa_k/
・JR西日本:どこかにビューーン!(https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220705_ho04.pdf
※サービス期間が限定されている場合もありますので、ご注意ください。

このようなサービスでは、目的地のエリアが複数提示されるので、その中から選択して申し込むと、数日で行き先が決まり連絡が来るという仕組みになっています。マイルやポイントを活用するサービスなので、往復の航空券や鉄道のチケットは手配済。あとは、決まった目的地で宿泊先などを手配すれば旅のプランはあっという間に完成します。

3.青春18きっぷを片手に出掛ける旅

「青春18きっぷ」は、JR全線の普通列車の自由席なら、乗車した列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで、どこまでも行くことができる鉄道チケットです。ただし、利用期間が限定されているので、ご注意ください。
※「青春18きっぷ」の詳細はこちら。
https://railway.jr-central.co.jp/tickets/youth18-ticket/

そんなチケットなので休みの日に、着替えなど最低限必要なものだけをリュックに入れて、とりあえずいつもの駅に行き、普段出社する方向とは反対の電車に乗ってみてはいかがでしょうか。いつもと違う方向に向かうだけで、気分が変わるはずです。

その後は気分が赴くままに途中下車すればいいと思いますが、「下車駅を決めることすら億劫だ」という人に向けて、「青春18きっぷ」を活用した「サイコロの旅」も紹介しておきます。

「サイコロの旅」は人気ゲーム「桃太郎電鉄」のように、サイコロで行き先を決める旅です。最寄りのターミナル駅まで行って、サイコロを振って出た目のホームで電車に乗ってみましょう。下車駅もサイコロで決めます。例えばサイコロを2回振って、1回目は一の位、2回目は十の位という具合に、出た数字に従って下車駅を決めます。もちろん66駅目などは、その日のうちにたどり着けるか分かりませんので、その辺りは柔軟に、自分でルールを決めてみてくださいね。

4.行き先をルーレットで決める旅

最近は「旅行ルーレットアプリ」というものがあります。
これは、旅の行先を決めてくれるアプリです。「旅行ルーレットアプリ」で検索すると、いろいろなアプリがヒットします。

とあるアプリの例では、47都道府県・39カテゴリから希望を絞り込むと、アプリがその希望条件の中から目的地を決定してくれます。カテゴリには歴史、公園、城、景色、温泉、山などがあります。「どこか温泉に行きたい」「美味しいものが食べたい」「海が見たい」など、ざっくりとした希望がある人には、特におススメです。ぜひ一度、試してみてください。

実際に無計画・無目的の旅をして人生が変わった人に話を聞いてみた

実際に、紹介したような「無計画・無目的の旅」をきっかけに、地方の魅力に出会い、転職・移住してしまった人もいます。
都会で働くことのモヤモヤから逃れられず、とりあえず旅に出て、その道中で出会った隠岐諸島(島根県)に魅せられ、転職・移住した経験を持つ斎藤潤子さん(仮名)に話を聞いてみました。

Q:斎藤さんは、首都圏で働いていた頃、どんなことにモヤモヤしていたのですか?
新卒で入った会社のオフィスは六本木にあり、はじめは東京のど真ん中で働けていることに嬉しさを感じていました。ただ、堅い会社だったので決まりごとも多く、自分らしさを出すことが出来ず、だんだん息苦しくなっていきました。オンとオフを切り分け、会社の自分と、退社後の自分、それぞれに上手く付き合おうと頑張っていたのですが、徐々に会社にいるのが辛くなり、モヤモヤが募っていきました。

Q:旅に出る「きっかけ」は?
私は隠岐諸島に行ったのですが、大都会で暮らしていた反動もあって、もともと漠然と「島」に興味はありました。当時モヤモヤの出口を探して、社会人大学にも入ってみたのですが、その流れで島に興味があるのなら、島にある会社でインターンをしてみたらどうかと勧められ、紹介されたWebサイトを眺めてみたことがきっかけです。

Q:なぜ「隠岐諸島」だったのですか?
大した理由はありません。隠岐諸島が鳥取県なのか島根県なのかもよく分からないままに、とりあえず行ってみようと思い出掛けました。「インターン」なので申し込むだけですし、色々とプランを考える必要もありません。「島」に行くことは決めていたのですが、正直な話、何島でもよくて、時間をかけて比較・検討したとか、下調べを入念にしたとか、そんなことは全くやりませんでした。

Q:そんな無計画な旅から、転職・移住まで考えるようになったのはどうしてですか?
行ってみて分かったことが色々あったからです。まず、私が行った(隠岐諸島の)島は島民2,200人ほどの小さな島なのですが、そんな島だからみんなが知り合いです。東京時代のようにオンとオフの使い分けなどできません。その結果、ずっと自分らしく過ごすことができ、それが私には合っていると気付けたのです。島に行くまでは「自分はオフが必要なタイプだ」と思っていたのですが、間違いでした。それは、来てみないと分からなかったことでした。
結果的に結婚することになった男性と出会ったのも、島です。インターンシップ中に、あるスタッフが産休に入られることになって、「社員にならないか」と誘われたのも偶然です。行く前は「島暮らしを体験してみよう」くらいの動機でしたが、動いたことで結果的に人生が大きく変わりました。

斎藤さんが島内でお気に入りの場所だというある庭園

Q:今モヤモヤしている方に、旅に出るメリットを教えてください
振り返ってみると、東京時代に感じていたモヤモヤは、会社のことだけではありませんでした。情報とモノに溢れた中で、毎日消費させられている感じがあって、それにも疲れていました。コンビニに行く度に新商品が出ていて、買うか買わないかを迫られる。情報も、いらなくても自然と入ってくる。私が受け止められる量を超えていたと思います。
加えて、当時都内に住んでいたのですが、地縁がなく、単身アパートには地元のお祭りの情報なども回ってきませんでした。人とのリアルなつながりが少なくて、それもしんどかったのだと思います。それでも、そこで暮らしていると「そんなものだ」と思い、適応しようと頑張ってしまいます。旅に出ると、そこが少し緩む。それがメリットだと思います。

まとめ

いかがでしたか?
お話を聞いた斎藤さんは、「無計画・無目的の旅」が新しい人生を切り開いた例といえそうです。旅は疲れた心を確実にリフレッシュさせてくれます。また、斎藤さんのように、あなたの人生を変えてくれる可能性もあります。

こちらの記事(「モヤモヤするのは当たり前〜「心のノイズ」を知って楽になる〜」)では、メンタルカウンセラーの先生が、外出して刺激を得ることがメンタル的にも重要であると言っています。日々の生活に疲れたと、休日は寝て過ごしているみなさん、深く考えずに、気軽に旅に出かけてみてください。

 

※この記事に掲載されている情報は、2022年11月にサイトに公開した時点での情報です。