モヤモヤ解消ケーススタディ
会社のルールに
納得できない
納得できない
例えばテレワークを積極的に取り入れているか、フレキシブルな時間設定で働けるか、どんな頻度であるいはどんな形で上司への報告を行うかなど、ワークスタイルは会社によって大きく異なります。経営者の考え方による違いもありますし、会社の業務内容や経営状態によっても違いが生じます。いずれにしても、今回のコロナ禍ではワークスタイルがクローズアップされるケースが増え、このことについて改めて疑問を抱いたり不満に思ったりした人も多いでしょう。
さて、ワークスタイルにまつわる失敗思考と成功思考を見ていきましょう。
※この原稿は、3人の現役キャリアアドバイザーに取材した結果を編集部で構成し作成しました。
【失敗思考】
● 問題の核心は、ワークスタイル?
失敗思考の人に多いのは、ワークスタイルへの不満に隠れた、本当の問題が見えていないケースです。例えば「うちの会社は考え方が古くさくて、テレワークを導入しようとしない」という不満を抱く人は、テレワークができるか否かが分かれ目なのでしょうか? テレワークを導入していなくても、フレキシブルでオープンな、いわゆる新しい考え方を持つ会社はあります。「だったら、その会社で働きたい!」というならば、問題の核心はテレワークではなくて社風だったということになります。
● 全て手に入れようとしていませんか?
「プライベートを充実させたいから、週1〜2日の出社でOKの会社に転職し、ワークライフバランスを変えたい」というケースがありました。そのような働き方のできる職場は存在しますが、フルタイムの現職と同じ収入を得ることは難しいかもしれません。「収入が減るのはちょっと……」というのであれば、ワークスタイルはその人にとって最優先事項ではなかったということです。
何もかも「おいしいところ取り」のできる会社はそうそうありません。理想のワークスタイルを手に入れようとするならば、その代わりに失うものもあることを覚悟しなければなりません。もちろん、介護や子育てなど止むに止まれぬ事情があって、ワークスタイルを一番に考えなければならないケースもあります。その場合は、より働きやすい条件を求めて転職するのがよいでしょう。
【成功思考】
● 働く上での最優先事項を明確に
では、成功思考のケースを見てみましょう。成功思考の人は、自分にとっての最優先事項を分かっています。「社風はちょっと古いし、ワークスタイルはやや不本意だけど、仕事内容がフィットしているので納得しています」というふうに、自分なりの優先順位に照らして現状と折り合いを付けているのです。
それに、その会社がどのようなワークスタイルであるかは入社前にある程度リサーチすることが可能です。また、会社の規模や業務内容から、できることとできないことの大まかな範囲は推測できるもの。成功思考の人は、会社選びの段階で自分に合ったワークスタイルが実現できるかどうか、どこまでのことが望めるかを把握しているというわけです。
● 働き方を提案してみよう
さらに一歩進んだ成功思考として、自分が望むワークスタイルを自分で手に入れるというケースもあります。かなりハードルの高いことではありますが、周囲が認める成果を出して自らの影響力を高めた上で、「こんな働き方をしたい」と申し出て、改善を押し進めるのです。
会社の風土や事情にもよりますが、新しいワークスタイルというのは必ずしも与えられるものではなく、積極的にアクションを起こして獲得していくものでもあります。成功思考の人は、そのアクションが実を結ぶよう、普段からコツコツと努力し、実績を積み上げています。